可能性の追求:多角形敷地を駆使した美容室

最初は、購入を検討している多角形の敷地に
車を3台停めることが出来るでしょうか??
というご相談からでした。

既に他の会社から車は2台以上は停められないと
回答され、諦めかけていました。



設計コンセプト

多角形敷地の角度を活用して道路からの視線に合わせた店舗の配置を提案。
敷地の効率的利用を実現し、駐車場台数も5台確保しながら
道路からの目線も工夫し目を引くライトアップデザイン、
そして室内も広々としたサービススペースを設け、開放的なヘアカットスペースを備え、
訪れる方々に快適な体験を提供するための設計を実現しました。

設計アプローチ

多角形の敷地の購入計画を検討する方にとって疑問が生じます。
「多角形の敷地は無駄が多いのではないか?、本当に車を3台以上停めることはできるのでしょうか?」
1. 敷地の特性を生かす  
多角形の敷地でも斜め配置の駐車場で最大の収容数を確保。
通常とは違うアプローチで空間を最大限に活用。

2. 敷地の効率性
多角形敷地の角度をうまく使い、店舗の主要な部分を幹線道路の視線に合わせることで、
効果的な視認性を確保。

3. 擁壁の考慮
敷地に崖等がある場合は、安全の確保が重要です。そのため、敷地の特性や効率的な
利用だけでなく、どのように擁壁と向き合っていくかを考えることも重要なポイントでした。

4. アクセスの配慮
店舗の場合、訪問者が快適に、直感的に、そして安全に行えるようにするため、入口の位置の配慮や
幹線道路からのアクセスの向上。視認性の向上を配慮することが大切です。
そのため、目を引く外観デザインとしてライトアップを工夫して夜間の目立ち度を上げ、
昼夜を問わず店舗の存在感を高めました。

5. 顧客体験の考慮  
各設計のポイントで、美容室に来る来訪者の体験や感じる心地を第一に考えヘアカットスペースに
吹き抜けを設けることで、閉じ込められた感じをなくし、来店者に心地よい体験を提供しました。

ポイントと設計視点

「形に囚われず、可能性を追求する」
多角形の敷地にも、確固たる価値と可能性があると信じています。
そして、その敷地を最大限に活用し、ニーズに応えることが出来たの
が今回のポイントでした。

土地探しのポイント

DATA

敷  地 愛知県東海市
構  造 木造(枠組壁工法):新築
規  模 2階建
用  途 店舗
用途地域 第一種住居地域
敷地面積 173.92㎡(52.61坪)
専有面積   82.48㎡(24.95坪)
意匠設計 Ai設計室株式会社 山内智恵
設計施工 三井ホーム株式会社
写  真 加斗タカオ

 

この記事を書いた人

chieyamauchi

やまうち ちえ
愛知県名古屋市で一級建築士事務所を経営しています。
「夢を形に・愛・記憶を未来へ」の経営理念をもとに
設計しています。
どうぞ、よろしくお願い致します!