実は12/4で終わってしまったのですが、京都市美術館で「若冲展」が開催されていました。
ギリギリで観に行ってきました。
樹花鳥獣図屏風
まず、最初に目に飛び込んでくる絵が、こちらの大きな屏風です。(横にずらっと6枚x2並んでいます。)
全体的に細かいマス目が入っていて、そこに色を入れているという変わった描き方をしています。
西陣織の下絵でもあり設計図でもある「正絵(紋図)」はいわゆる「桝目描き」をするそうで、大きさも同じ1.2センチ四方であることから、そこからヒントを得たと言われています。近くで見ると薄い色の墨でびっしりマス目が描かれていて、そこに線を消さないように色が入っています。普通に描いた方が断然早いのに、気が遠くなるような作業です。
動物の楽園、楽しそうです。
花卉番鶏図(かきばんけいず)
先日安城で見た「雪中雄鶏図」とちょっと似てますね~。雄と雌の鶏だけでなく、よく見ると真ん中ほどにすずめもいたりします。
箒に雄鶏図
実際はもっと箒や尾っぽの色などは、ぼてっとした黒い色です。若冲は、墨絵の鶏図も多く残しています。鶏の尾っぽがとてもうまく描けていて、この箒と雄鶏のアングルも、よくこの方向から鶏の顔を描いたなあと感心する作品です。柔らかそうな羽の質感が伝わってきて、やっぱりすごいと思います。
老松鸚鵡図(ろうしょうおうむず)
今回の展覧会のポスターにもなっている絵です。展示品の中でひときわ目を引いていました。きれいというより、「高貴」と感じる絵で(背景が金色だからかな?)、回りからため息が聞こえてきます。絵に凹凸感があるというか、鸚鵡の白い羽の質感がすごいなと思いました。松の木にとまる足がリアルで、枝のつかみ方の表現がすごいと思いました。
百犬図
こちらも人気の絵です。80歳を過ぎた晩年に描かれた絵です。この絵の中に「86歳図」と描かれているが、若冲は85歳で没しているので、計算が合わない。歳が明けるごとに、だったか、数え方がちょっと違うようで86歳ということになっているらしいです。いろんなポーズがかわいらしい仔犬・・・かわいいポーズはとっているけど、全員眼の形が同じでこちらを向いているところが、ちょっとこわい。前に垂れている耳の形も全員一緒です。
若冲は、これだけワンチャンやら鶏やら沢山動物の絵を描いているのに、「猫」の絵はほとんどない。音声ガイドで、猫が雀だったか鶏だったかををつかまえて咥えているのを見たとかで、鶏好きの若冲としては、それが許せなかったらしい。
ちなみに「百犬図」ですが、実際は59頭しかいません。ぜひ数えてみてください。
果蔬涅槃図(かそねはんず)
さすが青物問屋の主人だった、若冲。発想がすごいなあと思います。
大根がお釈迦様で、釈迦の入滅に嘆き悲しむ者を野菜や果物で描いています。
母の成仏と引き替えに家業の反映を願ったものだそうです。
花卉図
京都の石峰寺にある観音堂の天井画として描かれたものが、最後の方に展示されていました。数枚あったのですが、その中でもこのシャクヤクの花のふわっとした表現はとても見事で、本物よりもはかなげで、ちょっと消えてしまいそうな(色が薄くなってきているからかもしれませんが)、この世のものではないような、うわっ、さすが若冲、こういう表現もするんだ、と思わせる作品です。
間違えてスキャンしちゃいました。これはアジサイです。
結構、並んでました
土日に比べれば、かなり空いていたみたいです。でも30分待ちで中へ入りました。実際、展示の数はちょっと少なめです。音声ガイドを聴きながらゆっくり回っても、割と早く出てこれます。酉年生まれの私としては、もっとカラーの「鶏」を見たかったな~。墨絵は多くあったんですがね・・「群鶏図」とかどこに行けば見られるんでしょう?
こちらの展示は12/4まででした。
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