江戸幕府第14代将軍・徳川家茂の正室
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中山道大湫(おおくて)宿の本陣
中山道の47番目の宿場町に「大湫宿」というところがあります。
「大湫宿」は、1604年に造られた宿場で、皇女和宮親子内親王(江戸幕府第14代将軍・徳川家茂の正室)の宿泊地となったところです。
その「和宮親子内親王」さんが泊まられた宿が、土岐の民家に移築されています。
和宮宿泊の間、土岐の民家に(中日新聞の記事)
和宮降嫁で知られる岐阜県瑞浪市の中山道大湫(おおくて)宿の本陣の一部が、隣接する土岐市の民家に
移築されていたことが郷土研究家の調査で分かった。和宮が泊まったとみられる部屋も残っていて、
関係者は「非常に保存状態が良い。中山道設置400年の年だけにこの上ない喜び」と話している。
本陣の一部と判明したのは、土岐市土岐津町、団体役員鈴木和良さん方の離れ座敷5部屋。
「中山道の文化と史跡を守る会」会長、渡辺俊典さん(瑞浪市)が、自ら所有していた1804年作成の
本陣絵図と比較した結果、23部屋のうち、大名クラスしか使えなかった「御上段の間」をはじめとする
5部屋の間取りと一致した。廊下より15㎝高く、くぎ隠し、欄間といった武家屋敷特有の造作がある一方、
高い天井、金ばくを散らしたふすまも見られ、格式の高さをとどめている。
和宮は江戸時代末期の1861年10月28日、14代将軍家茂に嫁する際、本陣に宿泊した史実があり、
この「御上段の間」に泊まったとみられている。
大湫宿の本陣は1887年ごろに解体され、鈴木さんの曾祖父が一部を引き取ったとされる。鈴木さんは
「大湫宿の旧家を譲り受けた」と伝え聞いており、今年に入って調査を依頼した。
渡辺さんは「和宮の宿泊施設は群馬県安中市の板鼻宿しか現存しないとされており、素晴らしい発見」
と喜んでいる。”
(2002年5月8日中日新聞より)
特別に写真を撮らせて頂きました。
気さくなオーナー様なので、お願いをして、特別に写真を撮らせて頂きました。
オーナ様の「床柱」のお話が、とても印象に残っています。
1.母屋へと続く、広縁
座敷とお庭をつなぐ広縁は、開放的で母屋につながります。
深い軒を支える屋根梁は、長い一本の木材です。(ほとんど継いでいなかったと思います。)
広縁の縁甲板の板も、とても立派な板です。
確かに、広縁と座敷は15㎝程の段差があります。
2.金ばくを貼った襖絵
座敷をつなぐ襖は、絢爛豪華です。梅の花やボタンといった季節の花と、低く飛ぶ鳥のバランスが見事です。
上部には、吊り束を中心に、千本格子の欄間が付いています。
天井は、竿縁天井となっています。
欄間(らんま):鴨居から天井面へ開口部を設け、通風、換気、採光、装飾等の目的で造られたスペースのこと
吊り束(つりづか):鴨居の内法寸法が9尺(柱間が1間半)以上になる場合、鴨居を吊り下げる為の部材
鴨居(かもい):和室の襖や障子などの建具を立て込むために引き戸状開口部の上枠として取り付けられる横木
長押(なげし):柱同士の上部などを水平方向につなぎ、構造を補強するために柱の外側から打ち付けられるもの。
こちらの写真では、鴨居の上に付いている、高さ10㎝くらいの横木の部分をいいます。
竿縁天井(さおぶちてんじょう):日本建築の天井の一種で、近世以来最も広く用いられてきた様式です。
天井の廻り縁に,竿縁と呼ぶ細い横木を 30~60cm間隔に渡し,この上に天井板を載せて、
さらに中央部分がたわむのを防ぐため,野縁と呼ぶ細い角材を 180~270cm間隔で天井板の
上側に渡し,これを吊木で上部から吊ったものです。
釘隠し(くぎかくし):長押や扉に打った釘の頭を隠すための、装飾。
こちらの写真の、長押のところの黒い金物が、釘隠しです。比較的シンプルなデザインです。
3.黒木を使った床の間
こちらの床柱は「黒木」といって、本来はお客様がいらっしゃる度に、取り替えるのだそうです。
「取り替える」というと、簡単に聞こえますが、実際は大工さんに来てもらい、工事をしたんだと思います。
この「黒木」と呼ばれる皮付きの丸太材の床柱は、茶室などによく使われるようです。
丸太を使うことで、素朴さや和らいだ雰囲気になります。
床の間の横のスペースを「付書院」といいます。
付書院(つけしょいん):床の間の脇の縁側沿いにある開口部で、座敷飾りのための場所をいいます。
元々は、鎌倉末期から室町時代にかけて住宅に設けられた造付けの出文机
(いだしふづくえ)で読書の場所として使用されていました。
4.当初使われていた鬼瓦です。
実際に使われていた菊のご紋入りの鬼瓦です。
「菊のご紋」というところから、天皇家の雰囲気を感じます。
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