採光が必要な居室について
そもそも、建築基準法でいう「採光」って何?
普通に窓から入ってくる光とは違うの?というご質問にお応えします。
【目次】
建築基準法でいう「採光」とは?
「採光」というと、日当たりを想像しますが、実際には太陽光が入るのに、
建築基準法では「採光」に有効な窓とはならない場合があります。
ここでいう「採光」は天空光を指していて、北側で一日中日が当たらない窓でも、
条件を満たせば「採光に有効な窓」となります。
「居室」とは?
居住・執務・作業などのために、継続的に使用する室のことをいいます。
一般的な具体例として、
- 住宅のリビング、ダイニング、応接室、寝室、子供室、書斎など
- 寄宿舎の寝室、リビング、ダイニング
- 事務所の事務室、会議室、役員室、守衛室
- 病院の病室、診察室、ナースステーション、待合
- 物品販売業の売り場、事務所、休憩室
- 工場の作業室、事務所、研究所、当直室
- ホテルのロビー、映画館の客席、飲食店の客席
などのことを指します。
「居室」にはあたらない部屋
では逆に、「居室」にはあたらない室にはどのようなものがあるのでしょうか?
具体例として、
- 住宅の玄関、廊下、ホール、階段、トイレ、洗面室、浴室、納戸
- 事務所の倉庫、機械室、車庫、更衣室
などが挙げられます。
愛知県の基準はどうか
微妙な言い回しで、判断に迷うことがあります。
愛知県では、このような取り決めをしています。
「居室」の取扱い(平15.10 [改正]平22.12 平29.4)
(1) 「居室」には、居間、寝室、台所、応接室、書斎、店舗の売場、工場の作業所、当直室、会議室、待合室、
観覧席等が含まれるが、次に該当する場合は、建築基準法上の「居室」としては取り扱わない。① 共同住宅の管理人室で面積が小規模で、防災盤等のみが置かれている場合(住宅若しくは控室が併設され
ている場合又は駐車場の管理が行われる場合は除く。)
② 共同住宅のコインランドリーで居住者のみが利用する場合
③ 診療所(患者の収容施設がないものに限る。)のX線室及びその操作室、暗室。(いずれも小規模なものに限
る)
④ 住宅の台所で次の各号に該当する場合
イ.調理のみに使用し、食事等の用に供しないこと。
ロ.床面積が小さく(4.5畳程度)、他の部分と間仕切等で明確に区画されていること。⑤ サウナ室で次の各号に該当する場合
イ.浴室やプールの一部分に附属施設として設置される小規模なものであること。
ロ.浴室やプール全体(脱衣室等、用途上一体となった部分を含む。)として、その他の屋内部分と防火区画
されており、避難上支障がないものであること。(2) 「居室」に該当しないものとしては、玄関、廊下、階段室、便所、手洗所、浴室、物置、納戸等がある。
しかし、公衆浴場の脱衣室、浴室は「居室」に該当する。
【参考】 愛知県建築基準法関係例規集より
必要な窓の面積
住宅の居室では、その部屋の床面積の1/7以上の開口部(窓等)が必要になります。
例えば6帖の部屋だったら、約9.94㎡/7=1.42㎡
掃き出しの窓が、幅1.6x高さ2mだとして、3.2㎡、
1.42㎡≦3.2㎡でOK、となります。
その「採光に有効な窓」の計算方法に決まりがあって、窓をつければ全て有効になると言うわけでは
ありません。
採光に有効な窓の計算方法
部屋に窓を付けたとしても全て「採光に有効な窓」にはならない、とお話をしました。
必要なのは、隣地境界までの距離です。
簡単に図で説明します。
Dが隣地(または建物)までの距離、Hが窓の中心の高さになります。
用途地域によって採光補正係数というのが決まっており、下記になります。
特に縦に長い土地などで、真ん中部屋を設ける場合、中庭を設けるなどの工夫が必要です。
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名古屋の建築家はAi設計*山内智恵
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