土地を探していると、
「価格も場所もいいけれど、前の道路が狭い」
そんな土地に出会うことがあります。
道路が狭いと、
「そもそも家を建てられるの?」
「建築確認は通る?」
「工事の車は入れる?」
と、不安になる方も多いと思います。
実際、アイ設計で設計している住宅でも、道路条件が難しい敷地があります。
現在工事が進んでいる住宅も、そのひとつです。
敷地は約41坪。
大きな道路に面した整形地ではなく、周囲には幅の狭い道路があります。
それでも、道路や敷地の条件を一つずつ確認しながら計画を進め、現在は着工を迎えています。
「道路が狭い=家が建てられない」ではありません
家を建てるためには、敷地が建築基準法上の道路にどのように接しているかを確認する必要があります。
道路の種類、幅員、接している長さなどによって、建築できる範囲や必要な手続きが変わります。
たとえば、道路幅員が4m未満の場合には、道路の中心から一定の距離まで建物を後退させる、いわゆる「セットバック」が必要になることがあります。
その分、実際に建物を建てられる敷地が小さくなることもあります。
だから私は、土地を見るときに**「41坪あるから、このくらいの家が建つ」だけでは判断しません。**
道路との関係を確認して、実際に使える敷地がどのくらい残るのかを見ることが大切です。
建てられるかどうかだけではなく、「工事ができるか」も考える
もうひとつ見落としやすいのが、工事のしやすさです。
建築基準法上は家を建てられる土地でも、道路が狭ければ、大型の工事車両や資材を運ぶトラックが入りにくいことがあります。

基礎工事、建て方、資材搬入など、家づくりにはさまざまな車両が出入りします。
そのため設計段階から、
「この道路を工事車両が通れるか」
「資材をどこから搬入するか」
「施工上、余分な費用が発生しないか」
といったところまで考えておく必要があります。

写真は、道路が狭く車両が入れないため、解体した廃材も人の手で運びしているところ。
図面上では建てられる。でも実際につくるのは大変。
そんな土地もあります。
道路と敷地の高さも確認します
道路幅だけでなく、道路と敷地の高低差も大切です。
特に最近は、短時間に非常に強い雨が降ることも珍しくありません。
敷地や建物の高さを考えるときには、日常の使いやすさだけではなく、雨水がどこへ流れるのか、道路から敷地へ水が入り込む可能性はないか、といったことも確認します。
できるだけ道路より敷地を高くしておくこと。
当たり前のようですが、住宅を長く守るためには、とても大切なことです。
安い土地には、理由があることも
道路が狭い土地や、形が少し変わった土地などは、周辺の整った土地に比べて価格が抑えられていることがあります。
だからといって、必ずしも「買ってはいけない土地」というわけではありません。
条件をきちんと読み解いて、
何が問題なのか。
どこまでなら解決できるのか。
そのためにどのくらい費用がかかるのか。
それが分かったうえで価格に納得できるのであれば、選択肢になる土地もあります。
逆に、土地を購入してから初めて難しい条件が分かると、希望していた大きさの家が建たなかったり、想定外の工事費が必要になったりすることがあります。
土地を買う前に、建築士に相談するという選択
私たちは、完成した家の間取りを考えるだけが設計ではないと思っています。
道路、敷地、法規、構造、施工条件。
いろいろな条件を一つずつ読み解いて、「この土地なら、どう建てるか」を考えるところから設計は始まっています。
特に、
「道路が狭いけれど大丈夫?」
「変わった形の土地だけど家は建つ?」
「安い土地を見つけたけれど、何か問題がある?」
という土地ほど、購入を決める前に専門家に確認してもらうことをおすすめします。
条件が難しい土地だからこそ、設計で解決できることがあります。
私たちアイ設計は、名古屋を中心に住宅設計に携わって30年以上。
難しい条件の土地も、ひとつずつ読み解きながら、その敷地に合った住まいを考えています。
