後悔しない!土地探しのポイント|その5|東海湖の上にある名古屋市

【目次】


  1. 650万年前~500万年前まで、名古屋は湖の中にあった
  2. 東海湖の変遷
  3. 名古屋台地の出現
  4. 名古屋城は名古屋台地に
  5. 大名古屋ビルヂングの地盤補強
  6. 東海湖は地震が起きたらどうなるか
  7. まとめ

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名古屋市~知多半島、四日市、伊勢湾にかけて、「東海湖」という大きな湖の中にあったというお話です。

1.650万年前から500万年前まで、名古屋市は湖の中にあった

後悔しない!土地探しのポイント|その4|古代の海岸線」の記事で、

6000年前は、現在の大垣市付近まで、海だったんですよ~、というお話をしました。

更にもっと歴史を遡って、650万年前から500万年前くらいまでは「東海湖」というとても大きな湖がありました。

その大きさは、名古屋市がすっぽり入ってしまうような大きさです。

今では、全く想像もつかないですね。

その後の地殻変動などで、現在のような地形になりました。

2.東海湖の変遷

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「東海湖」が最も大きかったのは、矢田川期の500年前~300年前で、現在の琵琶湖の5倍近い大きさだったことが分かっています。それから、徐々に徐々に移動して、80万年前に三重県の桑名の西の方に、残骸を残して消えていったようです。

では、現在の琵琶湖はというと、伊賀上野の小さな湖が、どんどん北上して現在の位置になり、現在も北上を続けているので、50万年後には日本海へ抜けていくという説もあります。

そのぐらい、地殻はどんどん変わっていくんですね。

3.名古屋台地の出現

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その後東海湖に土が堆積したり、一部が隆起し(東海層群)、更にその「東海層群」の上に、「海部・弥富累層」が重なり、「熱田層」が重なります。その上に「沖積層」が重なって、現在のような形になっています。

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「沖積層」とは、最終氷期最盛期以降に堆積した、約2万年前の比較的新しい地層で、あまり強い地盤とは言えません。

4.名古屋城は名古屋台地に

名古屋城は、地盤が丈夫な「名古屋台地」に建てられています。

織田信長が造った清洲城を、徳川家康の時代に名古屋へ移したのは(清須越し)、清須は木曽川や海に囲まれているので、治水に悩まされていたことからだと言われています。1586年の天正地震の際にも、清洲城はかなりの被害を受けたそうです。

5.大名古屋ビルヂングの地盤補強

上部の地図でも分かるように、名古屋駅周辺は沖積層の上にあり、都市開発が進んでいます。

どんどん「背の高いビル」が建っていますが、大丈夫なんでしょうか?

そこで、最近出来たばかりの「大名古屋ビルヂング」の地盤補強について調べてみました。

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これをみると、高層部の支持杭底面は、地盤面より70m下の「東海層群」のすぐ上に堆積した、「海部・弥富累層」という頑丈な地盤へ打ち込まれていることが分かります。70mの杭って、相当深いですね。ビルにすると23階建てくらい。

硬い支持層に届くように支持杭を打ち込んでいるので、大名古屋ビルヂングは、多分大丈夫なんでしょうね。

6.東海湖は地震が起きたらどうなるか

名古屋大学の福和教授のお話です。

「500万年ぐらい昔、名古屋の辺りは全部が湖でした。馬鹿でかい東海湖と呼ばれる湖でした。この湖の中に溜まった泥の上に私たちは今住んでいます。そのため名古屋では地震が起きた時にとても怖いことがあります。それは揺れ始めたら止まらないということです。ちょうど東海湖というたらいの中にある水と同じです。たらいの中の水は1回揺れたら止まりません。だから揺れ続けるのです。揺れ続けて困るのは超高層ビルです。とても強く、何10分間も揺れ続けることになります。」

 

7.まとめ

台地の部分も昔は東海湖の底でしたが、特に揺れるのは、台地より西側にある沖積層の部分だろうと想像出来ます。

そこで私たち設計者に出来ることは、「揺れに強い」建物を造る、ということだと思います。


【後悔しない!土地探しのポイントの目次】

  1. 後悔しない!土地探しのポイント|その1|全体の流れ
  2. 後悔しない!土地探しのポイント|その2|自分達の生活をイメージする
  3. 後悔しない!土地探しのポイント|その3|土地の歴史
  4. 後悔しない!土地探しのポイント|その4|古代の海岸線
  5. 後悔しない!土地探しのポイント|その5|東海湖の上にある名古屋市

 


 

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名古屋の建築家はAi設計*山内智恵

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この記事を書いた人

chieyamauchi

やまうち ちえ
愛知県名古屋市で一級建築士事務所を経営しています。
「夢を形に・愛・記憶を未来へ」の経営理念をもとに
設計しています。
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