【目次】
1.地盤の簡単なチェック
日本は、いつどこで地震が起こるか分かりません。
そこで今回は「地震」に的を絞って土地選びをするポイントを、建築士の観点からお伝えします。
特にこの東海地方は、東海地震がいつ起きてもおかしくないと言われています。
その為、地盤の強い土地を選ぶ事や、地盤に応じた建物の対策をとることは、とても重要です。
実際に建物を建てる前には、地盤調査を行う事が当たり前の時代になっていますが、
候補地全ての土地を地盤調査する訳にもいかないので、一般的な知識として、
簡単にチェックできる方法をご紹介します。
2.古地図をみる
名古屋市でいいますと、昭和初期の地図をインターネットで見ることができます。
それより前の地図ですと、図書館などで調べる方法があります。
下記は、愛知県付近の江戸時代の地図です。
おおざっぱな地図ですが、海の位置や川の位置は大体分かります。
Ai設計は「御器所」にあるのですが、「御器所台地」の中央にあり、川や海で無いことが分かります。
熱田神宮の南側は海だったことが分かります。
やはり元々「海」だったところや「川」だったところは、地盤が弱いです。
お城は地盤が丈夫なところへ造ることが多いので、この地図を見ても、それが分かります。
3.地名をみる
地名には、古い歴史が隠されている事が多いです。
最近は町の統廃合や大規模開発などにより、古い地名が失われてしまう場合もありますが、
地名により、その土地の由来の手掛かりにはなります。
例えば、Ai設計がある「御器所」。
「御器所」は熱田神宮に献ずる土器を造っていたところから「御器所」という地名がつけられたそうです。
ということは、あまり水とは関係がないようです。
地盤が弱いところというのは、低地を埋め立てたような所、例えば「窪」「谷」「溝」などの地名がつく
ところや水を連想させる「さんずい」が付く地名「沢」「河」「池」は、弱い可能性が高いです。
4.遺跡をみる
例えば先程お話しした「城」があるような場所というのは、地盤が強い場所が多いです。
昔の人はよく知っていて、名古屋城は平地にありますが、すぐに水につかったり、地震で
壊れたりするような場所にお城は建てません。
その他には笠寺観音のある「見晴台遺跡」。ここは太古の昔から人々が暮らしているので
約2万年前の石器や、縄文時代、弥生時代のものまで出土しています。
と、いうことは、昔から海ではなく、台地だったことが分かります。
この辺りを車で通ると、坂道のてっぺんに笠寺観音があって、さらに北へ行くと、
新瑞橋の方に向けて下っていきます。
昔の地図をみると、笠寺観音附近は島状になっているので、そこからも現在の土地の形状について
納得がいくのです。
5.活断層をみる
まだまだ発見されていない活断層もありますが、新しい活断層がどんどん発見されています。
現在検討されている土地が、活断層の上にないかどうか、調べておきましょう。
真上の土地だと、やはりリスクが高いですよね。
6.名古屋の標高マップ
これをみると、昔どこが台地だったか、よく分かります。名古屋駅周辺も、低いですね。
7.まとめ
「土地選びのポイント:土地の歴史」はいかがでしたでしょうか。
土地の歴史について、他にもまだまだありますので、引き続きご紹介します。
8.外部参考リンク
※今昔マップ(中部圏) ← 昔、海だったのか川だったのか分かります。
※活断層(名古屋) ← 名古屋市内の活断層。2,3年前に発見されたものです。
名古屋高速の下を活断層が通っていることが分かり(全部ではありませんが)衝撃でした。
【後悔しない!土地探しのポイントの目次】
- 後悔しない!土地探しのポイント|その1|全体の流れ
- 後悔しない!土地探しのポイント|その2|自分達の生活をイメージする
- 後悔しない!土地探しのポイント|その3|土地の歴史
- 後悔しない!土地探しのポイント|その4|古代の海岸線
- 後悔しない!土地探しのポイント|その5|東海湖の上にある名古屋市
名古屋の建築家はAi設計*山内智恵
Ai designroom 住所:〒466-0006 愛知県名古屋市昭和区北山町3-12
電話:052-731-3317 FAX:052-731-9353
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