木造による耐火建築物が増えています|防火地域の戸建住宅

名古屋市内で住宅の設計をしていて、たまに、防火地域内にかかる場合があります。

防火地域は、幹線道路沿いや商業建物が密集していて、もし火災が起こった場合、大惨事になりかねない地域に指定されていて、建物の防災機能を高めることが求められます。

防火地域内の建物は、100㎡を超えると耐火建築物にする必要があり、一般的にはRC(鉄筋コンクリート造)、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)などの構造で計画されます。

耐火建築物と準耐火建築物の違い

(国土交通省の資料よりお借りしました)

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2000年の法令改正

ところが2000年の法令改正(枠組壁工法が平成16年4月、在来軸組工法が平成18年10月)により、木造耐火建築物の設計が可能になりました。

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私もちょうど独立した年に、「枠組壁工法」の耐火建築物設計者の講習会があり、「そうか、これからは木造でも耐火建築物が造れる時代になるんだ!」と早速受けて、認定番号を取得しました。

・・・あれから12年、計画はあってもなかなか実現せず、今年になって木造の耐火建築物を担当をさせて頂くことが出来ました。実現して下さったお客様や関係者の方々には、感謝感謝です。

実は、2000年から現在までに、5000棟を超える木造耐火建築物が建設されていて、その多くは、防火地域内の200㎡くらいの住宅だそうです。

日本全国を見ると、かなり増えているんですね。

中には、庁舎や共同住宅、福祉施設などの耐火建築物も増えているようです。

木造耐火建築物の利点

戸建を木造の耐火建築物で造った場合の利点としては、

1.設計が比較的自由で、お家らしい、かわいい外観も可能(RCとかSRCだと四角くなりがち)

2.木のぬくもり感

3.RCは、耐震等級1(せいぜい2)で設計されることがほとんどですが、耐震等級3の取得が比較的容易

4.長期優良住宅の取得が可能(耐震性、省エネルギー性、など)

デメリットとしては、コストが高いことでしょうかね・・

設計上、気を付けないといけないのは、耐火被覆が分厚いので、通常より壁厚が厚くなります。ですので、廊下巾、階段巾、ユニットバスを入れる場合は有効寸法の確認など、細かく注意することが必要です。いつも通りに計画して、「入らなかった・・」なんてことにならないように、気を付けましょう。

RCの建物にもいいところがいっぱいありますし、モダン的なかっこよさを出すにはやはりRCでないと、というところはありますが、今までRCでないと造れなかった建物を木造で造るというのは、おもしろいと思います。その分、大変さもありますが・・・(どうも現場は相当大変みたいです)

これからは木造の耐火建築物、もっと増えていくことでしょう。

(下はお借りした画像です。木造耐火建築物の例。木造でこんなことも出来てしまうんです)

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この記事を書いた人

chieyamauchi

やまうち ちえ
愛知県名古屋市で一級建築士事務所を経営しています。
「夢を形に・愛・記憶を未来へ」の経営理念をもとに
設計しています。
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